Loin d' ici Est-ce que c'est loin d'ici ?
![]() | X-kai (HMB T 2-1) (2007/03) 東城 麻美 商品詳細を見る |
【あらすじ】
物静かな花屋、冷酷な殺し屋。
二つの顔を持つ男・八神灰斗(ヤガミカイト)。
謎の女から伝えられた依頼を受け、死者に贈る花・カサブランカと共にターゲットの元へ向う。
その心に秘めた孤独は、誰も、知らない・・・
東城麻美が描くスタイリッシュ・ハードボイルド、ついに文庫化!
・・・巻末より抜粋。
--関連リンク--
出版社: 【ホーム社】公式HP

--魔人評価--
キャラ度:★★★★
ストーリー:★★★★
親に捨てられ施設で育った灰斗。
しかし、一見すると養護施設のそこは、殺し屋を育てる機関のひとつだった。
自分を守ってくれた兄。
その兄のため、昼は花屋、夜は殺し屋の二重生活を送る。
と、いうストーリー。
【あらすじ】だけ読むと、ちょっと殺伐とした感じにとられがちですが、ターゲットが完全に被害者とみて取れる場合は依頼を完遂しなかったり、浮浪児を拾って育てたりと、ほっと安心するようなエピソードがたくさん。
話数によっては、かなり絵柄が違っていたり、もしかしてこれは○○先生のアシスタント時代の絵かな?と思われるコマも多くあるので、特にBL好きさんにはオススメです♪
本作品は決してBL作品ではありません。
昼の顔、夜の顔
俺には二つの顔がある---
栖軽「この住所にカサブランカを届けて頂戴・・・長崎えり子」
栖軽が灰斗が経営する花屋にやってきてカサブランカの配達の依頼をするということは、「配達相手が今回の殺しのターゲット」ということ。
早速、灰斗はその相手、長崎えり子の家を訪ねるが、応対に出てきた本人は盲目で、もうすぐ結婚を控えているという。
えり子「私、もうすぐ結婚するんです。ブーケはカサブランカ。『純潔』花嫁って感じですよね」
それと、もうひとつ---
(-p-)死者に贈る花ですよね。
やぁ、百合の花も香りも好きですよ。
ただし、たまーにクシャミが止まらなくなるけど(^0^;)
シャボンの香りに一番近い香りだと思ってますけど、いかがなモンでしょ?
灰斗は、依頼主で長崎えり子の婚約者でもある医師・金森にも会いに行く。
その時金森は、出世のために結婚する予定の本物の婚約者とともにいた。
灰斗「金森さんですね。あなたの依頼を受けて、カサブランカを長崎えり子さんに届けました。」
金森「あんたが、八神灰斗。いや、死神---か」
(*´∀`)「ヤガミカイト」に「死神」よ?
笑うでしょ?でもね、この作品「DEATH NOTE」よりもずーっと前に描かれた作品なんです。
私ね、最初「DEATH NOTE」読んだ時に、こっちの作品のこと思い出しちゃったんです。
多分、他にもそう思った人はいるんだと思うのよ。
灰斗は、金森から「医療ミスをネタに結婚を迫られている」と、その理由を聞く。
そのことがきっかけで、2人の身辺を調べることに。
灰斗「彼はあなたが思うほど優しい人間じゃない」
えり子「・・・優しいわよ。カサブランカを贈ってくれたもの」
灰斗「でも本人は来ない。目の見えないあなたを一人にしている」
えり子「あなたに何がわかるって言うの!あの人がいたから失明しても希望を失わずにすんだ。あの人がいるから生きていられるのよ!!」
(-p-)まぁ、ツラツラーっとネタバレすると・・・
実は、彼女の失明は「一時的なもの」で、どうやら精神的なモノが多分に含まれているらしいんです。
金森はえり子に対して、結婚する気もないのに振り切れずにいる。
殺し屋云々の話よりも、こっちの方が実は怖い話なんですよ。
おそらく、長崎えり子の「未だ続く失明状態」というのは、「視力が回復すると、金森と結婚できなくなる」という理由からなんだと思います。
心理学上の問題では、「本人が意識して、そう思ったか。考えているのか」は、問題外。
恐ろしいことに、人間は自分で自分の心に嘘をつくんですよ。
それは、思い込みが強ければ強いほど、真実を見えなくしちゃうんです。
金森の人間性、そして長崎えり子の心理状態を察した灰斗は決断する。
灰斗「証拠を残さずに心臓麻痺を起こさせる植物があります。苦しむことは有りません。」
そのエキスの入ったワインを金森はえり子に飲ませる---。
それから2ヵ月後、金森の結婚式の最中に長崎えり子が現れる。
金森「えり子は死んでいた!なぜなら、私が毒を飲ませたからだ!!」
(-p-)あぁ~バカな男。
自分からバラしちゃったよ。
灰斗曰く「依頼人を社会的に抹殺してしまいました」。
でもきっと、えり子の方もズタボロよ?
だって彼女は、金森に依存して生きていたから・・・。
あぁ、こうして読み返してみると・・・
ハードボイルドって言っても、やっぱりそこは女性向け?(゜ー゜;)
ちょっと、甘いトコもあったりすんのよね。
でも、そのあとのストーリーで灰斗が浮浪児を拾い、「れんげ」という名をつけて共に暮らし育てていくことになるんですが、このやりとりもすごく面白いですよ。
虐待を受け続けていたせいで会話もままならないれんげが、少しずつ成長して行く姿に和みます。
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