Loin d' ici Est-ce que c'est loin d'ici ?
![]() | 犬神遣い (講談社X文庫―ホワイトハート) (2004/06) 西門 佳里 商品詳細を見る |
【あらすじ】
近未来。
犬神遣いは呪いを「仕事」とする公務員である。
わずか十七歳で、犬神を完璧にコントロールできる晶に、刻々と近づく「その日」。
犬神一族である唆神家の跡継ぎを決める儀式である。
自分を護ってくれる犬神の強さは、心の強さで決まるという。
純粋に、魂の力で戦い抜くのだ。
果たして晶は、妖の蠢く森の中で、命を落とさずに戦い抜くことができるのか?
今、「運命」を賭した戦いが始まる!
・・・巻末より抜粋。
【シリーズ全2巻】
1巻: 【犬神遣い】

2巻: 【犬神遣い 支配者の雫】
【関連リンク】
出版社: 【講談社Ⅹ文庫ホワイトハート】 公式HP
小説家: 【西門佳里】HP無し
イラスト: 【飯綱】橘水樹&櫻林子HP
ブログに感想UPして、オクで売ろう!売ろう!と思いながら早数年。
あー、いったい何度読み返しましたかねぇ(゜ー゜;)
いつものことですがね(*^p^*)
えっと、調べたところこの作家さんの作品は2作品のみ。
この「犬神遣い全2巻」と「鍵の猫」だけのようです。
もったいないですね。
表現力もいいし、ストーリーの展開といい、とても力のある作家さんなのに、なぜ2作品のみなの?
って思うんですが。
最近、ルルルとかビーズログとか、十代半ばから後半の女の子向けのライトノベル、いわゆるティーンズ文庫・ガールズ文庫というのが目に見えて増えてきましたが、ちょっと軟弱すぎるんですよね。
ストーリーや展開、キャラ設定が。
でもこちらは、正統派のファンタジー文庫なので、男性・女性問わずに幅広い年齢層でイケるかと思われ。
その分、ちょっと辛辣だったり、グロい部分があったりもするんだけど。
ちなみに感想書いてませんが「鍵の猫」も読んでます。
3回位は、本を買いなおしたと思うけど(゜ー゜;)
とても気にいっていて、本に開き癖がつくほど読んで、オクで売り飛ばした記憶が。
感想を書くために、またいつか買うつもりだけど(*^p^*)
全然、懲りてませんね、私。
遠藤晶17歳。
美少年と間違えるほどボーイッシュな格好をした少女。
両親は既に他界、高校には行かず、生活のために年齢を偽りバーで働いている。
その晶のもとに、異父姉の翠とその婚約者である唆神誠人が現れる。
翠「あんたが宗家になったら、こいつが秘書みたいなもんだから、仲良くやんなさいね」
唆神家は、代々「犬神遣い」として、政府要人の依頼により「呪い」を仕事とする一族である。
晶の母親がこの家の出身なのだが、翠を生んだ後に家の慣わしを嫌い家出。
そこで知り合った男と家庭を持ち、晶が生まれた。
しかし、外の世界でも居場所をうまく持てなかった晶の母親は、晶と夫を残し唆神家に戻ってしまう。
これで縁が切れたかに思われたが、本来の「唆神家の宗家」としての跡継ぎ候補である翠に「犬神遣い」の能力は全く開花せず、そこで群を抜いた力の持ち主である晶に白刃の矢が立つのだが、いかんせん世俗から隔絶された世界に生きる一族のものとは違う生い立ちに、反発するものも多い。
そこで、「晶が宗家に相応しいかどうかを試す戦い」に晶は担ぎ出されるのだが・・・。
というストーリー。
一族のもの全員が、「晶が宗家になる」ことに反対していると思っていいです。
なにしろ、そこに至るでの間に、晶を担ぎ出そうとするものたちは全員、反対派の人たちに殺されているのだから。
結構、血なまぐさい展開なんですよね(^^;)
この唆神家ですが、おそらく、長い歴史の中で「近親婚」を繰り返してきてるのではないでしょうか。
「犬神遣いの秘密を守るため」
「血筋を重んじるため」
「より強い犬神遣いを誕生させようとして」
そういったところでしょう。
ところが、不運にも跡継ぎである翠には、能力は無かった・・・という皮肉。
翠の婚約者である誠人も当然のごとく、「晶にとっては敵のはず」。
なのに、誠人は翠にかしづき、晶を全力でフォローする。
その理由とはいったい!?
というところが、最重要ポイントになっている。
ま、ぶっちゃけネタバレすると(いつものごとく!!)
この誠人こそ「犬神」。
詳細をバラすと、ちょっとエグイんですけど(^^;)
翠の婚約者を殺し、その皮を被った「犬神・九罐」です。
翠は自分に能力が無く、跡継ぎで揉めるだろうことを予想して、九罐と話あわせた上で婚約者である誠人を殺し、九罐に誠人のふりをさせた。
判断力が凄いですよね(゜ー゜;)
もちろん、翠は誠人を愛していたし、誠人も翠を愛していた。
それは、翠の能力の有る無しにかかわらず・・・。
ということは、ある意味・・・誠人も了承済み?
ちょっと怖い話ですよね。
でもね?
ビジュアルいいのよ誠人(ノ∀`)
もう、好みのど真ん中なんですけど!!
誠人(中味は九罐)がひざまづいて、翠の足を手当てするシーンのイラストなんか激萌!!
そして、晶の戦いの部分ですね。
そりゃもう一族のもの総出で、晶を殺そうと狙ってます。
いくら、大きな力を持っているとはいえ、外界で普通に育ってきた晶には、力の使い方などに関してはまだまだ未熟。
そこを誠人(九罐)が補いつつ、護っていくことになります。
すると当然、晶は混乱するワケですよ。
「敵のハズの誠人がなぜ自分を守ってくれるのか」。
「翠姉さんのことを愛しているから、妹である自分を守ってくれようとしているんだ」と・・・。
全ての戦いが終わってからの、「誠人=九罐の告白」「犬神遣い発祥の秘密」は必読です!
グロいの苦手な人にはオススメできませんが、キャラ設定、ストーリーの深さ、展開は読んでいて全く飽きさせない。
次巻(最終巻)は、ちょっとグロいので要注意!
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